昨日に引き続き、夏場所千秋楽に行ってきました。
日馬富士関が悲願の初優勝を果たしたことはもちろんですが、かつて観戦した相撲の中で “一番楽しかった” と言える程だったのが今日。
視聴率が25.7%だったと聞いて納得でした。
大相撲が終わってしまうといつも夕方は寂しくなるのですが、今場所は見所が多かっただけに、いまから2ヶ月後が待ち遠しいです。
さて、タイトルの通り、今日は涙の千秋楽でした。
豊真将関(1勝14敗)前頭筆頭の豊真将関は、前半は横綱・大関との連戦で白星こそ挙げられないものの、内容のよい相撲で善戦していました。
ところが中盤から勢いがなくなり、昨日までは14戦全敗という結果に。
錣山親方(寺尾)からは「負けてもいいから元気を出せ」と言われていたようです。
千秋楽で初日を出せるか、はたまた全敗か・・・ という今日の一番に誰しもが注目していましたが、寄り切りで嘉風を降し、千秋楽にして見事に初白星!
館内の大声援と拍手は、優勝が決まったのかと思わせられるぐらいのもので、豊真将関の初日を全員が喜びました。
ハンサムな豊真将関は人気力士の一人ですが、とにかく超マジメで熱心。
背後から見た勝ち名乗りでは、涙をぬぐっているように見えたのですが、ポーカーフェースの関取がまさか・・・ と思っていました。
初日をあげたことと、それを喜ぶ声援と拍手を聞いただけで、見ているわたしも泣きそうでしたが、豊真将関ご本人は
「こんなにたくさんの人が応援してくれている」
ことに感極まって涙をこらえていたそうで、取組後には泣き崩れるようにして風呂場に入ったとのことを知り、もう号泣です。
稀勢の里関(13勝2敗) 敢闘賞11日目に日馬富士関に敗れ2敗となった稀勢の里関。
変化気味の立ち合い&とったりという1秒程度のあっけない取組(綱取りにも影響しそうな相撲内容)で、勝者の日馬富士関は自身のブログで誹謗中傷を受けまくり、両者ともにかわいそうな一番でした。
千秋楽では、勢いをつけている新小結・鶴竜関(9勝6敗・技能賞。来場所は関脇昇進)を寄り切って2敗を守りましたが、1敗の日馬富士関と白鵬関がこの後の取組で両者ともに2敗となれば、朝青龍関を含めた4人が2敗となり、稀勢の里関にも優勝のチャンスはあります!
しかし、日馬富士関が琴欧洲関を降した時点で優勝を逃すことになり、風呂に入らず大銀杏を結い直して待っていたという稀勢の里関のガッカリとした表情を見ると、こちらまで悲しくなりました・・・
モンゴル勢が力を伸ばす昨今の相撲界で期待される日本人力士として、来場所以降もがんばってほしいです。
千代大海関(8勝7敗)大関カド番7敗の、(言葉は悪いですが)崖っぷち大関である千代大海関。
千秋楽で来場所以降の役が決定するという大一番で、大きな把瑠都関を押し倒して勝ち越し、大関を死守しました。
このときの声援も温かく、「千代大海、よかったねえ」と思わされる一番でした。
(横審に何か言われそうな雰囲気はありますが)
日馬富士関(14勝1敗)13日目に白鵬関に土をつけられ、11日目の取組への誹謗中傷から、メンタル面でも、残る2番が心配だった大関ですが、14日目に琴欧洲関が白鵬関に土をつけ、ハルマ・白ともに1敗に!
何気に侮れない琴欧洲関戦をドキドキしながら見ていたのですが、首投げで降し見事14勝☆
結びの一番の結果次第で、優勝が決まることに・・・
会場で日馬富士関のお母様はじめご親族が横を通り過ぎて行かれたので、優勝を楽しみに来日されたのでしょうね。
お母様のためにも、亡くなられたお父様のためにも、大関に優勝してほしいと思いました。
朝青龍関(12勝3敗)14日目の日馬富士関戦で腰を痛めた横綱は、痛々しいテーピング姿で土俵に姿を現しました(涙)
この結びの一番では、朝青龍が勝てば日馬富士の優勝が決定、白鵬が勝てば優勝決定戦・・・ という目が離せない一番です。
周囲からは朝青龍派、白鵬派、両横綱派とバラバラの声援が飛んでおりわたしも手に汗握りながら観戦していました。
結果は白鵬関の寄り切りで朝青龍関の3敗。
これで日馬富士関と白鵬関の優勝決定戦が行われることになりました。
9日ぶりにようやく口を開いたという千秋楽のインタビューでは
「無理やからね、この体じゃ。強めの痛み止めを飲んだけどね」
という言葉があったそうです。
本割で敗れた後の支度部屋では、決定戦を控えた日馬富士関に
「勝てなくてごめんな」
と謝罪と激励を贈ったという朝青龍関。
何て優しい横綱なんだろうと、感動して泣きました。
優勝決定戦(日馬富士関 vs 白鵬関)昨年の優勝決定戦では白鵬関が優勝しましたが、日馬富士関には今度こそ悲願の初優勝を実現してもらいたい一心で取組を見ていました。
何だか、本当に優勝できそうな気がしていたのですが、それでも祈るばかり・・・
決定戦前には、朝青龍が「四つになるなよ。頭をつけろ」とアドバイスしたのだそう。
ここでも後輩思いの横綱の優しさに感動しました(涙)
あああ・・・ と、声も出せずにただ見ていることしかできませんでしたが、熱戦の末、大関の下手投げで白鵬関が土俵に手をつき、この瞬間に日馬富士関の優勝が決定しました。
キャー、嬉しすぎる!!
超感動でした。
表彰式、その他いまこの瞬間までの白熱した雰囲気は一掃され、土俵上では淡々と表彰式の準備がすすめられます。
その後、優勝力士が華々しく登場するのですが、負けてしまった力士はどんな思いで支度部屋にいるんだろう・・・ と、“たった一番” の勝敗の重さをいつも感じさせられます。
日馬富士関が登場すると館内は大声援。
君が代(小さい頃は嫌いでしたが、君が代って渋くて大好き)に続いて表彰式が行われ、優勝インタビューでは大関が嬉しそうにお話されていました。
日馬富士関は神様とご家族を本当に大切にされているのですが、
今日も真っ先に「自分を生んでくれたお父さんとお母さん・・・」
と話され、気取らない素直な言葉には感動しました。
大関、初優勝おめでとうございます!
同部屋の安美錦関&安壮富士関兄弟と抱き合って喜んでいるときの
表情がほんっとに嬉しそうで、今日見た中で一番と言える程
よいお顔でした。
とってもおいしそうにビールを飲んでいらっしゃいましたよ。
この後、「行ってきまーす♪」と手を振って、元気にNHKに向かわれていました。
余談ですが、朝青龍関から日馬富士関へのプレゼントは、
「これから日馬富士もテレビに出たりで人気も出てくるだろうから
このプレゼントが1番」
という理由で、美顔器とプラチナローラーだそうです(笑)
横綱、ナイス&ハイセンスですね♪
あーもう、朝青龍って大好き。
大関・日馬富士 平成21年夏場所星取表
戦績: 14勝1敗 | 勝敗 | 決まり手 | 対戦力士 | 写真 | 初日 | ○ | 押し出し | 豊真将 | | 2日目 | ○ | 寄り切り | 栃煌山 | | 3日目 | ○ | 寄り切り | 玉乃島 | | 4日目 | ○ | 上手投げ | 豪栄道 | | 5日目 | ○ | 寄り切り | 豪風 | | 6日目 | ○ | 押し出し | 旭天鵬 | 写真 | 7日目 | ○ | 押し出し | 鶴竜 | | 中日 | ○ | 寄り切り | 千代大海 | | 9日目 | ○ | 寄り切り | 魁皇 | | 10日目 | ○ | 寄り切り | 琴光喜 | | 11日目 | ○ | とったり | 稀勢の里 | | 12日目 | ○ | 送り出し | 把瑠都 | | 13日目 | ● | 裾払い | 白鵬 | | 14日目 | ○ | 外掛け | 朝青龍 | 写真 | 千秋楽 | ○ | 首投げ | 琴欧洲 | 写真 | ○ | 下手投げ | 白鵬(優勝決定戦) |
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星取表の表示記号の見方○ 勝 ● 負